- インプラントを検討されている方へ
- たった1本の歯でも、放置してはいけません
- インプラントをおすすめする理由
- インプラント治療を受ける歯科医院選びのポイント
- インプラント治療の流れ
- より確実に進めるための治療法
インプラントを検討されている方へ
「インプラントに興味はあるけれど、詳しいことがよくわからない」「手術と聞くと少し不安」「費用や通院期間が気になる」といったご相談を多くいただきます。
インプラントは、歯を失った部分の骨に人工の歯根を埋め込み、機能と見た目の回復を図る治療です。通常のむし歯治療とは異なり外科処置が必要になるため、高い技術と、衛生的な環境設備が求められます。
当院では、歯科用CTや3Dシミュレーション、ガイデッドサージェリーを活用し、事前に骨の状態や神経の位置を正確に把握したうえで、適切な治療計画をご提案いたします。
また、初めての方にも安心していただけるよう、カウンセリングでは治療の流れやリスク・費用面なども丁寧にご説明しております。不安な点がございましたら、遠慮なくお尋ねください。
たった1本の歯でも、
放置してはいけません
歯が抜けてしまっても、「とくに痛みがない」「不便を感じない」といった理由で、そのままにしてしまう方もいらっしゃいます。
しかし、歯は1本でも欠けると、お口全体のバランスに影響を及ぼします。かみ合わせの乱れ、残っている歯への過剰な負担、見た目や発音への影響など、さまざまな問題が生じるおそれがあります。
たった1本でも、歯を失ってしまった場合には早めにご相談にいらしてください。
歯が抜けたまま放置すると起こりうること
歯はそれぞれに大切な役割を担っており、1本でも失われるとかみ合わせのバランスが崩れたり見た目に影響が出たりすることがあります。機能の低下を防ぐためにも、歯を失った場合にはできるだけ早く歯科医院で適切な処置を受けることが大切です。
機能面
- 噛む力が弱くなり、食事に支障が出る
- むし歯・歯周病・口臭のリスクが上がる
- かみ合わせのバランスが乱れ、歯や顎に負担がかかる
- 残っている歯が割れたり動いたりしやすくなる
審美面
- 歯並びの乱れやかみ合わせのズレが生じる
- 頬がこける・口元のたるみなど、顔立ちが変わる
- 歯ぐきやあごの骨が痩せ、老けた印象になりやすい
- 笑顔に自信が持てなくなる
生活面
- 発音が不明瞭になる(特に「サ行」など)
- 噛む力が低下し、胃腸への負担が増す
- 噛む刺激の減少により、認知機能の低下が懸念される
- かみ合わせの崩れが、肩こり・腰痛・姿勢の乱れにつながる
インプラントを
おすすめする理由
- 天然の歯に近い噛み心地
- 見た目が自然で違和感が少ない
- 健康な歯を削る必要がない
- 適切なケアで長期的に使用できる
歯を失ったあとの治療にはいくつかの選択肢がありますが、その中でもインプラントは、咀嚼機能の回復・見た目の自然さ・周囲の歯への負担軽減といった点において、総合的に優れた治療法とされています。
インプラントは、歯を失った箇所のあごの骨に人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療です。顎の骨にしっかりと固定されるため、噛んだときの安定性が高く、固いものでもしっかりと噛めるようになります。噛む力が回復することで、胃腸への負担軽減や咀嚼による脳への刺激の維持にもつながり、全身の健康に良い影響を与えます。
また、インプラントに使用される人工歯は、審美性にも優れた素材(セラミックやジルコニアなど)が選ばれることが多く、自然な色調と質感により、周囲の歯と違和感なく調和します。前歯・奥歯を問わず、機能面だけでなく見た目にもこだわりたい方に適した治療です。
さらに、ブリッジ治療のように周囲の健康な歯を削る必要がなく、残っている歯への影響を最小限に抑えられるのも大きな特徴です。
ただし、インプラントは外科的な処置をともなうため、全身の健康状態や骨の状態などによっては適応とならない場合もあります。また、公的医療保険が適用されない自由診療のため、費用負担は他の治療法よりもかかってしまいます。
当院ではメリットだけでなく、注意点や他の治療法との違いも丁寧にご説明した上で、患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた治療計画をご提案します。
インプラント治療を受ける
歯科医院選びのポイント
インプラント治療は、技術や設備、診療体制によって結果に差が出やすい治療です。安心して治療を受けるためには、医院の方針や対応、実績などを丁寧に見極めることが大切です。
ここでは、医院選びの際に確認しておきたいポイントをご紹介します。
治療経験と実績
インプラント治療は、理論だけではなく、実際の経験や症例の積み重ねが重要になる分野です。とくに骨の厚みが少ない部位や奥歯など、難易度が高い症例では、経験豊富な歯科医師による治療が望まれます。
医院のウェブサイトでこれまでの治療例が紹介されていたり、使用している術式・素材・機器について明示されていたりする場合には、その医院の姿勢や技術レベルを把握する材料になるでしょう。
設備と衛生管理の水準
安全なインプラント治療のためには、歯科用CTや専用のシミュレーションソフトなど、精密な診断を行うための機器が不可欠です。神経や血管の位置を正確に把握し、リスクを回避するためにも、こうした設備が整っているかは確認しておきたい点です。
また、手術を行う環境の衛生管理も重要な要素です。器具の滅菌状況や、使い捨て器具の有無、院内の清掃体制なども、信頼できる医院かどうかを判断するヒントになります。
事前説明とコミュニケーション
外科手術をともなうインプラント治療において、患者様の理解と納得は必要不可欠です。初診時のカウンセリングや治療計画の説明において、丁寧かつ分かりやすく情報提供を行っているかどうかは、医院の姿勢が表れる部分です。
治療の選択肢やリスクについて一方的ではなく、患者様の疑問に耳を傾けたうえでしっかりと説明してくれる医院であれば、安心して治療を受けやすくなります。
インプラントの品質とメーカー選定
治療に使用されるインプラントは、世界的に広く使われている信頼性の高いメーカー製から、価格を抑えた製品まで幅があります。治療費だけに目を向けるのではなく、「どのメーカーのインプラントが使用されているか」「長期的に使用できるかどうか」にも注目することが大切です。
安価な治療プランの場合、使用されているインプラントの品質や保証内容に差があることも考えられます。将来的なトラブル回避のためにも、素材やメーカーについて説明がある医院は安心です。
保証制度の有無と内容
インプラントは、長く使い続けるものです。万が一の不具合やトラブルが起こったときに備えて、どのような保証制度が設けられているかは重要なチェックポイントになります。
多くの歯科医院では、インプラントメーカーが設けている保証に加えて、医院独自の保証制度を用意しています。期間や対象範囲は医院ごとに異なるため、事前に内容を確認し、不明点があればしっかりと質問しておくことをおすすめします。
インプラント治療の流れ
お口の状態や治療部位、骨の状態などによって多少の違いはありますが、基本的なインプラント治療の流れをご紹介いたします。
1カウンセリングと検査
まずはカウンセリングを通して、お悩みやご希望、治療に対するご不安などをしっかりと伺います。
無理のない治療計画を立てるために、現在のお口の状態や全身の健康面も含めて確認します。
むし歯や歯周病の有無、かみ合わせ、顎の動きなどを細かくチェックしたうえで、歯科用CTによる立体的な画像診断を行います。骨の形状や神経の位置などを把握し、3Dシミュレーションにてインプラントの埋入位置や角度、必要な本数などを正確に設計します。さらに、被せ物の素材、骨造成の有無なども含めた詳細な治療計画をご提案します。
2一次手術(インプラント体の埋入)
インプラント治療の第一段階として、人工歯根となるインプラント体を顎の骨に埋め込む処置を行います。外科的な手術ではありますが、入院の必要はなく、当日中にご帰宅いただけます。
当日はまず、お口の中を丁寧にクリーニングし、感染リスクを抑えた環境を整えます。その後、局所麻酔を行い、リラックスして手術を受けていただけるよう配慮しながら処置を進めていきます。清潔な手術環境のもと、滅菌ドレープをかけてから開始となります。
手術では、まず歯ぐきを切開し、術前のシミュレーションに基づいて、正確な位置・深さにインプラントを埋入します。ガイドを使用することで、角度や位置のズレを防ぎ、安全性と精度の高い埋入が可能になります。骨の状態によっては、成長因子やレーザー機器を併用して治癒の促進を図ることもあります。
処置時間は通常1.5〜2時間程度です。インプラント埋入後は歯ぐきを縫合し、術後1〜2週間を目安に抜糸のためご来院いただきます。
また、骨の量が不十分な場合や粘膜の厚みが不足していると判断された場合には、骨再生誘導法(GBR)や上顎洞挙上術(ソケットリフト・サイナスリフト)などの補助的な処置を同時に行うこともあります。これらを行うことで、インプラントを長期的に安定させることができます。
3治癒期間と二次手術(アバットメント装着)
埋入後はインプラントと骨がしっかりと結合するのを待ちます。期間は約6〜8週間が目安ですが、骨造成を行っている場合は3〜6ヶ月ほどかかることもあります。この間は、月1回程度のメインテナンスに通っていただき、状態確認とクリーニングを行います。
結合が確認でき次第、2回目の手術(アバットメント装着)を行います。
これは歯ぐきの一部を開いて、人工歯を支えるパーツを装着する処置で、こちらも日帰りで対応可能です。
4仮歯の装着
アバットメント装着後、歯ぐきの状態やかみ合わせのバランスを整えるため、仮歯を装着します。
当院では、天然歯と近い色や形の仮歯をご用意し、見た目や噛み心地を確認しながら、最終的な補綴物(クラウン)の設計に向けて微調整を行います。
5型取りと補綴物の製作
仮歯の安定を確認した後、最終的な人工歯(クラウン)を製作するための型取りを行います。色味や形、かみ合わせなどを患者様と相談しながら進め、歯科技工士との密な連携のもと、精度の高い補綴物を仕上げていきます。
6人工歯の装着・調整
被せ物が完成した後、装着とかみ合わせの調整を行います。装着後に違和感や不具合がないかを確認し、必要に応じて細かく調整を加えます。
また、インプラントを長持ちさせるためのセルフケアの指導なども行います。
7定期的なメインテナンス
治療が完了してからは定期的なメインテナンスが重要になります。インプラントは人工物ですが、周囲の歯ぐきや骨の状態に影響されるため、継続的なチェックとケアが欠かせません。
当院では、通常3ヶ月ごとの定期メインテナンスを推奨しており、衛生状態やかみ合わせ、骨や歯ぐきの変化などを歯科医師と歯科衛生士が丁寧に確認します。
より確実に進めるための
治療法
インプラント治療では、外科的な処置としてインプラント体を骨に埋め込む必要がありますが、その手術をどのような段階で行うかによって、「一回法」と「二回法」という2つの術式があります。
「一回法」は、1度の手術でインプラント体とアバットメントを同時に埋入し、歯ぐきの上に露出させた状態で治癒期間に入る方法です。外科的な負担が少なく、治療の期間が短縮できる点はメリットですが、骨の厚みや質がしっかりしている場合に限られることが多く、骨造成を伴う治療では感染リスクが上がる可能性もあるため、適応には慎重な判断が必要です。
一方、「二回法」はまずインプラント体のみを顎の骨に埋め込んだ後、歯ぐきを閉じて縫合し、数ヶ月の治癒期間を設けてから再度切開し、アバットメントを連結する方法です。治癒期間中はインプラント体が口腔内に露出しないため、細菌感染や物理的な刺激のリスクが抑えられ、より確実な定着が期待できます。
当院では、インプラントをしっかり安定させ、長く快適に使っていただくために、基本的に二回法を採用しています。患者様一人ひとりの骨の状態や治療計画に応じて、適切な方法をご提案いたしますので、ご不明点があればお気軽にご相談ください。
